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BKSレポート 4

22nd Brewster Kaleidoscope Society Convention
22nd Brewster Kaleidoscope Society Convention vol4

 電話やメールで日本と連絡を取りながら慌ただしくコンベンションの4日間は過ぎてゆきました。
私が6才の時、コンベンションに母と行った時の記憶はもう殆どありませんが、その頃と明らかに変わったことは日本人の万華鏡作家が増えたことだと思います。

「それはアメリカのアーティストにとって、とても嬉しいことです。日本が頑張っている今、アメリカももっと盛り上げていかなくてはならない。」 とカラディモス氏は仰っていました。


 私が幼い頃から母が仕事で忙しくしていた為か、昔からよく「お母さんは何のお仕事をしているの?」と聞かれていました。
一言で「万華鏡のお店をやっています。」と言っても、昔ながらに浅草などで売られていそうな筒状に和紙で巻かれた万華鏡しかイメージできない人が殆どでした。

しかし今ではメディアで取り上げられることも多く、それを目にした方々が昔館に直接足を運ばれ、万華鏡教室にも参加していただけるようになり、そうした方々の口コミによって日本でも万華鏡の認知度がかなり高くなったように思います。

それは昔館にとっても、国内外の作家さんたちにとっても、とても嬉しいことです。
今回、日本人作家の方々にもこのように言っていただけて、改めて実感しました。


カラディモス氏にインタビューさせていただいた時、
「私は子どもが楽しむ為の万華鏡を作っているわけではなく、大人が見て触って楽しむ為の万華鏡を作っている。」
と話されていたことがありました。

正直、私が幼い頃は万華鏡にあまり興味が持てませんでした。
【覗くと綺麗だけど、持つと重くて落としたらすぐ壊れちゃいそう。
それに、万華鏡を作り始めたら部屋は大崩壊…(一時期、母も制作していた時期があった為。)】と思っていた記憶があります。

でも不思議と成長していくにつれて、【うわぁ?、綺麗だなぁ?】と昔では考えられなかった気持ちになるようになったのです。

それは大人になっていくにつれて自然と抱えるストレスが癒されている瞬間なのかも…?


何にせよ、自分の好きな時に、好きな場所で、覗くだけで心を豊かにさせてしまう作品を一つ一つ丁寧に毎日作り続ける多くの作家の方々に今回出逢うことができ、それは私にとってとても良い刺激になり経験となりました。


今回のアトランタコンベンション開催にあたって中心となったのは、ボール夫妻とそのご家族と営むKaleidoscopes Shopでした。


お店はコンベンション会場から車で20分ほど郊外に離れた、スーパーやドラッグストアの並ぶショッピングセンターにショップはありました。
今は亡き初代会長コージー・ベーカー氏のコレクションも多く置かれ、みなさん手に取って覗いては買われる方も多くいらっしゃいました。


朝はベーコン、ポテト、サラダにフルーツなどをバッフェスタイルでいただきました。

最後の夜はティクル夫妻によるダンスパーティー。

日本人はシャイだしどうだろう…と思いきや、日本人のみなさんもノリよく踊っていて笑いの絶えないコンベンション最後の夜となりました。

 今年のテーマは“50年代ファッション”。
みなさん《ウエストサイドストーリー》に出てきそうなジーパンにシャツ、スカーフ姿など、女性はプードルスカートをはいていてとても素敵でした。


2012年アトランタ・コンベンションでの“ピープルズ・チョイス・アワード”を受賞した3名です。おめでとうございます!

佐藤元洋さん、スティーブン・グレイさん、イメージスのトム・ダーデンさん


 スティーブン・グレイさんは20年ぶりの万華鏡制作復帰となり、スティーブンさんご自身のパラソルシリーズから進化させた今回の新作「パラソル検廚魯▲錙璽匹悩任眤燭の票と評価が集められました。

 滑らかな触感の木工旋盤の外観に、LED照明が内蔵された明るい内観は傘を横から眺めているようなイメージです。





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 イメージスのジュディス・ポールさんとトム・ダーデンさんの「クリスタル・クエイク」は遊び心に溢れたチェンジャブルスコープです。

 ミラーに重ねた1枚のシートが出し入れ可能で、1つのスコープで2ミラーシステムと3ミラーシステムの両イメージが見ることができる、という斬新なアイディアで注目を集めました。
宝石が散りばめられたような外観デザインをそのままイメージしたようなスコープです。

(昔館の店頭にあるのでぜひ手に取って体験してみて下さい。ひとつの万華鏡で4通りの違ったイメージを楽しめる、とても楽しい万華鏡です。)



 そして日本人として受賞された佐藤元洋さん。佐藤さんご自身初受賞となった新作「風のいたずら」。他の作家さんたちも覗きながらうっとりと「綺麗…」と口々にしていました。風に吹かれる草原をイメージしたようなグリーンとブラウンの色使いにガラスのきめ細やかな繊細さが内部イメージにも感じられます。


レポート:荒木貴紀

アトリエ訪問記 ファンタジー・グラス編

チャールズ
KIKIのアトリエ訪問記2 ファンタジー・グラス編
いよいよ日本への本帰国が近づく6月中旬、今回で2回目となる万華鏡作家のアトリエ訪問をしてきました。
今回はジョアンヌ・ジェイコブスさんのアトリエ、ファンタジーグラスです。自宅兼アトリエはニューヨークのブルックリンに滞在していた私の家から車で40分、電車で2時間弱のニューヨーク州郊外東部のウェスト・ヘンプステッドという閑静な住宅街にありました。
kikiとチャールズ

kikiとチャールズ

 今回は一人での訪問だったので緊張もしましたが、ジョアンヌさん、夫のマイクさん、そして可愛い一人娘のメロディーちゃんが笑顔いっぱいで出迎えてくれました。
午前中に伺ったので一緒に朝食をとろうと私の分まで用意してくれていました。

 ニューヨークも蒸し暑い日が続いていましたが、時間も早かったので気持ちいい天気の下、ジョアンヌさんの趣味で素敵にガーデニングされた裏庭に案内されました。
そこのデッキにはクロワッサンやサーモンにフルーツが並べられていました。
最近起こった家族の出来事やメロディーちゃんの習い事のお話など楽しく談笑しながら4人で一緒に食べました。
なんと娘のメロディーちゃんはアイススケート、バレエ、タップダンスなどで毎日習い事漬けだそうで、なかでもアイススケートは得意で賞を何度も貰ったそうです。

kikiとチャールズ

25年間も万華鏡を作っているジョアンヌさん、万華鏡との出会いのきっかけはステンドグラスだったそうです。
リビングルームには真っ白なYAMAHAのグランドピアノが置かれていて、その上のペンダントランプはステンドグラス製の鍵盤模様でした。そのシェードは街のショーウィンドウで、ひとめで気に入り即購入したそうです。
その後、お気に入りの鍵盤模様のランプを創った人がSteve Faillowsという名のアーティストで、その人が万華鏡をつくっていることを知り、ご自身も万華鏡製作に興味を持ったそうです。


ガラス棚

 ジョアンヌさんも最初はステンドグラスのランプを創っていて、いくつか昔の作品を見せてくれました。浮世絵や日本らしい「和」のイメージが大好きなジョアンヌさん。最初の作品は455枚のステンドグラスを組み合わせた「竹やぶ」をイメージしたランプシェードでした。(写真左)

ガラス棚

  リビングルームの小階段を上がって、「竹やぶ」ランプの置かれた寝室を通り抜けたところに、アトリエがありました。

 アトリエに入るとまず大きくて真っ白なキャンバスが置かれて、目立ったので尋ねてみると、ジョアンヌさんは言いました。「昔から絵を描くことが大好きです。頭の中でイメージしたものを描くこともあれば外に出かけた時、パリなど旅行した時に見た風景を描きます。描いた絵から万華鏡のオブジェクトのイメージを考えたりすることもあります。」

真っ白で大きなキャンバスがいつでもアトリエの環境にあるのは、万華鏡作りのためにとても良いアイディアだと思います。


ガラス棚

  写真左は、ジョアンヌさん。 写真右の大きな長いパイプは、半田ごての時に出る煙やハウスダストとなる細かい塵を吸い取る装置で、マイクさんと一緒に手作りして設置したそうです。

ガラス棚

 アトリエの端の方にガラスカットのデスクを見つけました!

 私が「まだ数回しかやったことがないのだけれど、ガラスのカットは難しいです。
 力の加減が分からず、何枚も駄目にしてしまったことがあります。」と言うと、ジョアンヌさんは「あら、何にも難しくなんてないですよ、私がやってみせるから、一緒にやってみましょう!」と言ってお手本を見せてくれました。
後に続いて私も挑戦!恐る恐るやってみると、カッターが良かったのかは分かりませんが、簡単に且つ奇麗にカットできたので驚きました! (写真右がKIKI)
 
kikiとチャールズ

 写真左にある2ミラーシステムの底に貼ってあるものはアルミホイール。
光を当てて覗くと万華鏡模様の周りがキラキラとゴージャスな感じになります。このアイディアはヘアサロンで白髪染めをしたときに浮かんだそうです。アルミに髪の毛を挟んで染めるのに、頭を動かす度にそのアルミが光に反射してキラキラと光るのを見て、これを万華鏡に使おうと閃いたそうです。

ガラス棚

ガラス棚

kikiとチャールズ

「今年の夏に作る万華鏡のガラスは全てブルーにしたかったので、いつも利用しているロングアイランドにあるガラス屋で、気に入った色合いのガラスを買ってきました。」とマーブル模様の大きなガラスを見せてくれました。

 「毎日作っているのですか?」と私が言うと「注文などがあればそれに伴って数も変わってくるけれど、基本的に毎朝5時半に娘を送ってから夕方のレッスンが終わるまで、私には時間があるから好きな音楽をかけながら制作しています。ザ・フーとかロックも好きだし、私はピアノもやるのでクラシックも聴きます。」

 すると「ママー!大変、時間がないわ!髪をセットして!!」とレオタード姿のメロディーちゃんがアトリエにやってきました。
そう、この日はメロディーちゃんのバレエ発表会。家を出る直前に私が彼女のタイツの伝線に気がついて、それを教えてあげると大急ぎで着替えてマンハッタンへ出かけて行きました。

ガラス棚

 見るからに家族思いで優しい笑顔のマイクさんは、アメリカの大手銀行で働く銀行員さんでした。
「私の万華鏡作りにおける役割はミラーです。作品のアイディアからオブジェクトイメージなどは全て彼女がやっています。
発送があれば郵便局に運ぶし、私はあくまで彼女のサポートです。」と言うマイクさん。
昔はフルートをやっていたそうですが、私と同じようにロックミュージックも好きだそうで、「ブラックサバスは知っていますか?」とマイクさんに聞かれ、私は「もちろんです!ハードロックやヘヴィメタルはあまり聴かないけれど、バンドもオジー・オズボーンも伝説ですね。」と話し、私たちの会話のなかで音楽の話しでもたいへん盛り上がりました。

kikiとチャールズ

 万華鏡のアイディアは“食べ物”から浮かぶことが多いと語っていたジョアンヌさん。
最後にプロモーション用のご自身が作曲した曲の流れる映像を見せてくれました。コックさんの格好をしたジョアンヌさんとマイクさんがキッチンでマフィン作りをするというシーンの映像でした。そしてオーブンから取り出すとマフィンは万華鏡になっていた!という楽しい映像でした。まだ制作途中とのことで、完成した映像を見るのが楽しみです!


ジョアンヌさんのアトリエ訪問の後、慌ただしく帰国の途に着いた私は、家に着くなり彼女からプレゼントされたスコープを取り出し、リビングのチェストの上に飾りました。
後方の写真立てには小学生の頃の私と母が写っています。日本の我が家にニューヨークの雰囲気が立ち広がりました。

kikiとチャールズ


レポート:荒木貴紀

BKSレポート 3

22nd Brewster Kaleidoscope Society Convention
22nd Brewster Kaleidoscope Society Convention vol3

コンベンション3日目は、本場アメリカ人作家に学ぶ、キティルソン夫妻の万華鏡教室への参加です。
とてもわくわくします。



  まずそのまえに、私の万華鏡教室体験記をすこしだけご紹介しましょう。

 私が初めて万華鏡を作ったのは、小学生のときでした。ステンドグラスで作るワンドスコープで、このときの講師は代永正樹さんでした。

 次は、柿原知子さんが講師を務める昔館の万華鏡教室でオイルチェンバースコープを作り、そして昨年の渡米直前には、山見浩司さんの教室に参加させてもらいました。ガラス選びから始まるステンドグラスの本格的なドライチェンバースコープで、 ほぼマンツーマンで指導していただきました。

 山見さんの教室では何度も失敗しながら、特殊なガラスのカットに悪戦苦闘したことが記憶に新しいです・・・。

 柿原さんのもとで助手(?) をさせてもらいながら、教室参加したときにも思い出があります。
生徒さんが作り終えて帰ったあと、いつまでも私だけ居残りが続き、結局2日ほど時間がかかってしまったのは、万華鏡作りで一番楽しいポイントでもあるオブジェクト選びだったのでした。


 さてキティルソン夫妻のアドバイスをもらいながら、オイルタイプの万華鏡作りに挑戦、先端部が回転する本格的なオイルチェンバースコープを作ります。

キティルソン夫妻が万華鏡作りを初めてから24年。万華鏡制作においてミラーをスティーブ、オブジェクトをペギーが担当し、お互いをリスペクトし合いながら共同作業でスコープを制作している事や、ガラスの購入先などの話を最初にしてくれました。

話している最中も2人の笑顔から夫婦の仲睦まじさが伺えて、終始和やかな雰囲気のなかアーティスト、リテーラー、コレクターの参加者で教室は行われました。

  まずは今回のアトランタでのコンベンションのロゴのイメージがペイントされた、本体になる筒と、オブジェクトケース、ミラー組み立ての際に練習用に使うアクリル板と、本番用の表面反射鏡、そしてV字型に組むミラー2枚の間に入れる黒の板などが配られました。

そしてミラー組とオブジェクト組にそれぞれ分かれて制作が進められました。
私は先にオブジェクト組に入り、ペギーの持ってきてくれた色ガラスやダイクロガラス、ビーズや貝などから、全て異なる色や形を吟味しながら、一つ一つを入念に選び抜きます。

一通りオブジェクトケースに摘んでミラーで覗きながら、抜いたり、拾ったり。
万華鏡作りにおいて私が一番好きな時間です。
でも一番時間のかかるポイントでもあり、しかもオイルに入れるとオブジェクトの色の栄え方が違ってくるので、それをイメージしながら選ぶのにはとても悩みました。

自分のオブジェクトを持参している人も。 光を入れながら何度もチェックします。

 ペギーはオブジェクトを選ぶ際に赤(又はピンク)、黄色、オレンジ、緑、ゴールドの5色と、さまざまな色彩に輝くダイクロガラスを2つから3つは必ず入れていると教えてくれました。

また今回も最後まで時間のかかったオブジェクト選びを終えて、触ってはいけない、傷つけてはいけない、苦心のミラーシステムの組み立てです。
一番集中しなければならないポイントなので、ミラーを組む前にスティーブが用意してくれたアクリル板で、まずはシミュレーションです。



そしていよいよ本番用の表面反射鏡です。

二等辺三角形の頂角が30度になるように予めカットされたガラスと板で組み立てます。

ミラーの固定には伸縮性のあるビニールテープを使用。
ミラーシステムの上部にレンズをメルトで固定。


 ミラーを組んだら最後は筒に入れる作業です。今回一番難しく感じたのが意外にこのパートでした。

昔館の教室ではテープ式のスポンジをミラーシステムの角に3本貼付けていたのを、スティーブでは綿を使用。制作者によってこのような違いもあるのかと思いました。

 ただ綿だと少し安定感に欠け、覗き穴の部分にミラーシステムを固定させるのが難しく、綿毛が邪魔したりと、ここで参加者のみなさん苦戦していました。

3時間のワークショップもあっという間に時間が経ち、オブジェクトケースにオイルを入れる作業は、キティルソン夫妻が仕上げてくれるということで、完成した作品は翌日受け取ることに。

 今回のワークショップに限らず、万華鏡を作る時にいつも思うことがあります。
スティーブの伝授するミラーシステムの組み方を真似ても、ペギーの作ったガラスを使ってオブジェクトを作っても、キティルソンスコープになることは絶対なくて、万華鏡はやはり作り手によってそれぞれ全く違うものになるという事が改めてよく分かりました。

万華鏡作りは“センス”と言ってしまえばそれまでで、いくら頭の中で万華鏡模様をイメージしようと、それに近づくのは大変なことで、“これだ!”と本当に思えるまでには何度も作って、どんなに時間がかかっても納得のいく1つの作品を作る上げる事が大事なのかな。と、何だか万華鏡作りに限らずに言える事かもしれませんね。

この記事をタイプしながら、いつだったか万華鏡制作において絶対に妥協を許さないチャールス・カラディモス氏が「万華鏡作りは人生だ。」と言っていたのをふと思い出しました。




レポート:荒木貴紀

BKSレポート 2 KaraYama「雅」限定15本

22nd Brewster Kaleidoscope Society Convention
22nd Brewster Kaleidoscope Society Convention vol2

KaraYama「雅」限定15本
by
Charles Karadimos & 山見浩司
コンベンション2日目の一大イベントは作家たちが新作を発表する“Unveiled”です。
今年トップバッターを務めたのはアメリカと日本を代表する万華鏡作家の第一人者チャールス・カラディモス氏と山見浩司氏による初のコラボレーション企画“KaraYama”でした。
企画発足の経緯などをインタビュー形式でお伝えします。

今回のコラボレーション企画の作品のイメージやテーマは何ですか?

山見氏:「コラボ企画が決まった頃からテーマは“和”にしようと思っていました。
“和”のイメージとして全てのスコープの外観にゴールドのラインを入れていますが、これは後から自分でゴールドにペイントしたガラスを使っています。」



アメリカと日本をそれぞれ代表する作家の企画ですが、企画発足の経緯を教えて下さい。

チャールス氏:「昨年6月にケンタッキーで開催されたコンベンションの際にブースが隣り合わせになり盛り上がって話しているうちに合作の話しが出て、そのまま昨年末にはお互いにメールでイメージや意見を交換し合いながら制作に入りました。」



他のアーティストと作品を制作するにあたって難しかったことなどありましたか?

チャールス氏:「合作はお互いに意見を交換し合いながら協力して作品を作るのでチャールス・カラディモスとしてのスコープを造る時よりもより責任感が強まり、それはとてもいい刺激になりました。
特に難しいと感じたことはありませんでした。」


アメリカと日本の距離でどのようにして制作は進められたのですか?

山見氏:「まずテーマが“和”なので日本を思わせる色をイメージしながら色の選択にこだわりました。
企画当初からチャールス氏の代表的な“コーン”のフォルムで作品を造りたかったので、先に表の細いラインを組み合わせた面を僕が作って半分だけできた状態でチャールス氏に送り、それに裏の一枚ガラスをチャールス氏が焼き、組み合わせて仕上げまでやってもらいました。
オブジェクトもお互いが選んで作った素材を半分ずつ入れています。アイディアやオブジェクトのイメージなどはメールで写真を送ったりして、お互いに意見交換をしながら制作を進めていきました。」



今回のコラボレーション作品は限定数販売で日本での販売店はカレイドスコープ昔館のみになります。各スコープ全てにチャールス氏と山見氏のサインとシリアルナンバーが刻印されています。既に入荷済みの6本全てが異なるイメージです。是非、店頭で手に取ってご覧ください。


交流会


レポート:荒木貴紀


KaraYama作 『雅』は、本サイトでもご購入いただけます。


BKSレポート 1

22nd Brewster Kaleidoscope Society Convention
22nd Brewster Kaleidoscope Society Convention
4月12日から15日の4日間に渡って、ジョージア州アトランタにて開催されたブリュースター・カレイドスコープ・ソサエティの第22回目を迎えたコンベンションに参加してきました。
今回はキティルソン夫妻のワークショップ参加など体験記を交えて、コンベンションの様子を数回に分けてレポートをお届けしようと思います。
写真の多くは私が撮影したものですが、オフィシャルカメラマンを担当しているキャロリン・ベネットさんやキャノンの良いコンデジをお持ちだった山見浩司さんの写真も使わせていただいています。
エイド夫妻と富貴子との記念写真

現在ニューヨークに滞在中の私は一度ワシントンD.C.に戻り、カレイドスコープ昔館を始めた当初から現地で昔館の仕事を手伝ってもらっていた早水サール富貴子さんと一緒にアトランタへ向かいました。

実は私がアメリカに来た去年の6月から3ヶ月間は富貴子さんのお家にお世話になっていました。
その後も万華鏡作家が参加していたフィラデルフィアでのバイヤーズマーケットやボルティモアで開催されたアメリカンクラフトショーに同行してもらっていたので、今回のコンベンションも同行をお願いし協力していただきました。


アメリカの南東部に位置するジョージア州アトランタは、コカ・コーラ発祥の地で知られ、多くの観光客が博物館の見学に訪れます。私たちは開催日当日入りだったので時間がなく観光はできませんでしたが、日本から参加された作家さんたちは行かれたようでした。


レジストレーションカウンター

コンベンション会場であるLOEWSホテルにチェックインして、早速レジストレーションに向かいました。
そこでコンベンション・スコープの可愛らしいユニークな万華鏡キットもいただきました。


ユニークな万華鏡キット

マグネットになっているテレイドスコープをピーナッツの入った缶に置くと、先端のオブジェクトは下の出っ張りを押すことで風車のようにクルクル回るホイールタイプのスコープに。押しながら覗くともの凄い速さなのですが、静止画にして見てもカラフルでレトロな感じが可愛いです。


交流会

会場はこのような感じで、夕方前には参加者のみなさんでバッフェスタイルのサンドイッチを食べながら挨拶を交わし、夜はコレクターの方々の交流会に少し顔を出し、初日は終わりました。



交流会


次回はお待ちかね!日本ではカレイドスコープ昔館のみ限定販売予定のチャールス・カラディモス氏と山見浩司氏によるコラボレーション企画“KaraYama”の作品紹介とショートインタビューをお届けします。


レポート:荒木貴紀


チャールス・カラディモス アトリエ訪問記

チャールズ
KIKIのアメリカ万華鏡作家アトリエ訪問記
第一弾は、米国万華鏡界ザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティーの古くからの重鎮であるチャールス・カラディモス邸を訪問。インタビューを交えた会話の一部と写真などをご紹介します。
kikiとチャールズ

チャールズ・カラディモス氏と会ったのは私が5才のとき、昔館に連れられて行ったシカゴでのコンベンションが最初でした。私がこの度アメリカに留学している所からチャールズ氏の自宅兼アトリエが近いことを知り、アトリエを訪問することを思い立ちました。

ある晴れた日の昼、知人の車に乗せてもらいチャールズ氏の家に向かいました。お宅はメリーランド州のダマスカス地域の平屋が並ぶ住宅街にありました。
チャールズ氏の招きでお宅の玄関を入るとまずキッチンがあり、更に奥に進むとジムにあるようなトレーニング機器が数台あり、<チャールズ氏は日頃から身体を鍛えているんだなぁ…>と、まずそれが第一印象でした。
トレーニング機器の隣にはオーディオ機器があり、その上にはいくつか自身の作品が飾られ、私はそのうちの一つを手に取り覗いた瞬間、すっと魅き込まれてしまいました。
ゆったりとくつろげる居間のソファーに私と万華鏡の好きな友人(私が毎週末英語の勉強で通っている教会の牧師夫人)とチャールズ氏で座り、親切で朗らかで抱擁力に溢れたチャールズ氏を前にしてインタビューをすることにしました。

チャールズさんは万華鏡をいつ、何がきかっけで作ることになったのですか?
学生時代に物理学を専攻していて、確率や光の屈折、反射などについて学んだことをきっかけに最初はステンドグラスに興味を持ち始め、自らも作るようになりました。
 制作をしているうちにガラス工芸の奥深さを感じ、1980年ころに確率や光について学んだことをより活かせる万華鏡作りをするようになりました。
ガラス棚
万華鏡作りにおいて、どんなこだわりを持っていますか?
まずルックスとカラー、この二つを大事にしています。そしてどんなに細かいことでも決して妥協しないこと。どうすれば自分が満足のいく最高な作品を作ることができるのか、私は20年前から常に考えて作品を作ってきたし、今もそれを追求しています。
ルックスでは円錐型とアーモンド型がチャールズ氏の印象にありますが、何故これらのスタイルを作り続けているのですか?
私は子どもの為に作っているのではなく、大人の娯楽として、大人が楽しむ為の万華鏡を作っているので、万華鏡を手にしたときの感触や見た目を大事にしています。内部に関しても光がどのように反射してオブジェクトのカラーが映えるのかなどを計算しながら制作しています。
鏡やステンドグラス選びで特に気をつけていることはありますか?
鏡はカスタムメードの表面反射鏡、ステンドグラスは明るい色を選ぶようにしています。
シカゴに注文で頼んだり、車でニュージャージーに買い付けに行ったりします。使ったことのない新しいガラスは直接見なければわからないので、なるべく自分で見て買うようにしています。
万華鏡の映像
万華鏡作りにおいて、影響を受けた他のアーティストはいますか? 又、アイディアはどのようにして生まれますか?
影響を受けたアーティストは特にいません。全ては自分の閃きから。日常のなかで、外から聴こえてくる鳥のさえずりや風の音などから感じる感覚的なイメージも風景などもスケッチに描いておきます。旅行も好きなので旅先でアイディアが生まれることもたくさんあります。作成していないものも含めて万華鏡のデザインは約150種類あります。
これから万華鏡作家を目指す人たちに何かアドバイスはありますか? 又、プロの万華鏡作家はどうあるべきだと考えますか?
基本をしっかり勉強すること。幾何学、物理学の知識。そして特にオブジェクトを選ぶ色のセンスは絶対的に必要です。“安くて楽”な方法を考えてはいけません。その為には忍耐力と正確さが必要です。細かいことにも気を抜かず、常に“最高”を求めて追求する研究心。とにかく作り続けて、勉強し続けることが大切だと思っています。
万華鏡が世の中でこうあって欲しいと思うことはありますか?
全世界、70億人の人々、一人一人に万華鏡を持ってほしいです。そうすることで人々は喜び、幸せな気持ちになれるでしょう。
1994年に日本でカレイドスコープ昔館が誕生したことで、カレイドスコープファンや日本人作家も出てくるようになりました。どのような印象を受けていますか?
日本の作家は3、4年前まで外国のアーティストの作品を真似たようなものが多いと感じていましたが、最近はいいものが増えてきたという印象があります。
ブリュースターソサエティーの活動や参加者に対して、より改善して欲しい点などはありますか?
今は一部の役員だけに仕事が偏り過ぎています。もっと役割を増やして仕事の分担ができれば活動の幅も広がると思います。例えば図書館などに万華鏡を一つ置くだけでもシェアを広げることの一歩になると思っています。
万華鏡を扱う店やスタッフに対してこうあって欲しいと思うことはありますか?
作家同様に万華鏡について勉強し、よく理解して欲しいです。そして万華鏡はどのようにして作られるのかをお客さんに説明して欲しいと思います。
オーナメント
お部屋にトレーニングマシーンやオーディオなどがありましたが、好きな音楽や人生の楽しみ方を教えてください。
アトリエとサイロ
身体を動かすことが好きで、気分転換にもなるので運動はよくしています。音楽は大好きで、誰か好きなアーティストというよりもジャンルは幅広く、特に60年代のロックが好きです。音楽から生まれるアイディアは内部のイメージが多く、例えばクラシックを聴くと淡く優しいパステルカラー、ロックは色鮮やかな明るい色、ジャズだとさまざまな色が混ざり合い奇抜なカラーイメージが浮かんだりします。これらのように聴く音によってカラーのイメージが変わります。最近はエレクトロな音楽も聴いていて、シンセサイザーで音楽を作ったりして楽しんでいます。
最後に、チャールズ氏にとっての万華鏡とは何ですか?
それは私にとって難しい質問で、万華鏡を作り始めた頃は考えもしませんでした。でも気がつけば数十年という長い月日を作家として過ごし、万華鏡は私の人生そのものを表しています。アイディアを与えてくれる家の窓から見える風景、世の中で起こっていること全てが私を作っています。

最後の質問を終えてふと窓の外に目をやると、すっかり日が暮れて空は夕焼け模様でした。私のインタビューにに時に深く考え、間を置きながら話してくれたチャールズ氏、万華鏡作りに対しての強いこだわりと情熱を感じた私は次にアトリエを案内してもらうことになりました。アトリエを出ると辺りは真っ暗で、メリーランドの広い空にはたくさんの星が見えていました。

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