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アトリエ訪問記 ファンタジー・グラス編

チャールズ
KIKIのアトリエ訪問記2 ファンタジー・グラス編
いよいよ日本への本帰国が近づく6月中旬、今回で2回目となる万華鏡作家のアトリエ訪問をしてきました。
今回はジョアンヌ・ジェイコブスさんのアトリエ、ファンタジーグラスです。自宅兼アトリエはニューヨークのブルックリンに滞在していた私の家から車で40分、電車で2時間弱のニューヨーク州郊外東部のウェスト・ヘンプステッドという閑静な住宅街にありました。
kikiとチャールズ

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 今回は一人での訪問だったので緊張もしましたが、ジョアンヌさん、夫のマイクさん、そして可愛い一人娘のメロディーちゃんが笑顔いっぱいで出迎えてくれました。
午前中に伺ったので一緒に朝食をとろうと私の分まで用意してくれていました。

 ニューヨークも蒸し暑い日が続いていましたが、時間も早かったので気持ちいい天気の下、ジョアンヌさんの趣味で素敵にガーデニングされた裏庭に案内されました。
そこのデッキにはクロワッサンやサーモンにフルーツが並べられていました。
最近起こった家族の出来事やメロディーちゃんの習い事のお話など楽しく談笑しながら4人で一緒に食べました。
なんと娘のメロディーちゃんはアイススケート、バレエ、タップダンスなどで毎日習い事漬けだそうで、なかでもアイススケートは得意で賞を何度も貰ったそうです。

kikiとチャールズ

25年間も万華鏡を作っているジョアンヌさん、万華鏡との出会いのきっかけはステンドグラスだったそうです。
リビングルームには真っ白なYAMAHAのグランドピアノが置かれていて、その上のペンダントランプはステンドグラス製の鍵盤模様でした。そのシェードは街のショーウィンドウで、ひとめで気に入り即購入したそうです。
その後、お気に入りの鍵盤模様のランプを創った人がSteve Faillowsという名のアーティストで、その人が万華鏡をつくっていることを知り、ご自身も万華鏡製作に興味を持ったそうです。


ガラス棚

 ジョアンヌさんも最初はステンドグラスのランプを創っていて、いくつか昔の作品を見せてくれました。浮世絵や日本らしい「和」のイメージが大好きなジョアンヌさん。最初の作品は455枚のステンドグラスを組み合わせた「竹やぶ」をイメージしたランプシェードでした。(写真左)

ガラス棚

  リビングルームの小階段を上がって、「竹やぶ」ランプの置かれた寝室を通り抜けたところに、アトリエがありました。

 アトリエに入るとまず大きくて真っ白なキャンバスが置かれて、目立ったので尋ねてみると、ジョアンヌさんは言いました。「昔から絵を描くことが大好きです。頭の中でイメージしたものを描くこともあれば外に出かけた時、パリなど旅行した時に見た風景を描きます。描いた絵から万華鏡のオブジェクトのイメージを考えたりすることもあります。」

真っ白で大きなキャンバスがいつでもアトリエの環境にあるのは、万華鏡作りのためにとても良いアイディアだと思います。


ガラス棚

  写真左は、ジョアンヌさん。 写真右の大きな長いパイプは、半田ごての時に出る煙やハウスダストとなる細かい塵を吸い取る装置で、マイクさんと一緒に手作りして設置したそうです。

ガラス棚

 アトリエの端の方にガラスカットのデスクを見つけました!

 私が「まだ数回しかやったことがないのだけれど、ガラスのカットは難しいです。
 力の加減が分からず、何枚も駄目にしてしまったことがあります。」と言うと、ジョアンヌさんは「あら、何にも難しくなんてないですよ、私がやってみせるから、一緒にやってみましょう!」と言ってお手本を見せてくれました。
後に続いて私も挑戦!恐る恐るやってみると、カッターが良かったのかは分かりませんが、簡単に且つ奇麗にカットできたので驚きました! (写真右がKIKI)
 
kikiとチャールズ

 写真左にある2ミラーシステムの底に貼ってあるものはアルミホイール。
光を当てて覗くと万華鏡模様の周りがキラキラとゴージャスな感じになります。このアイディアはヘアサロンで白髪染めをしたときに浮かんだそうです。アルミに髪の毛を挟んで染めるのに、頭を動かす度にそのアルミが光に反射してキラキラと光るのを見て、これを万華鏡に使おうと閃いたそうです。

ガラス棚

ガラス棚

kikiとチャールズ

「今年の夏に作る万華鏡のガラスは全てブルーにしたかったので、いつも利用しているロングアイランドにあるガラス屋で、気に入った色合いのガラスを買ってきました。」とマーブル模様の大きなガラスを見せてくれました。

 「毎日作っているのですか?」と私が言うと「注文などがあればそれに伴って数も変わってくるけれど、基本的に毎朝5時半に娘を送ってから夕方のレッスンが終わるまで、私には時間があるから好きな音楽をかけながら制作しています。ザ・フーとかロックも好きだし、私はピアノもやるのでクラシックも聴きます。」

 すると「ママー!大変、時間がないわ!髪をセットして!!」とレオタード姿のメロディーちゃんがアトリエにやってきました。
そう、この日はメロディーちゃんのバレエ発表会。家を出る直前に私が彼女のタイツの伝線に気がついて、それを教えてあげると大急ぎで着替えてマンハッタンへ出かけて行きました。

ガラス棚

 見るからに家族思いで優しい笑顔のマイクさんは、アメリカの大手銀行で働く銀行員さんでした。
「私の万華鏡作りにおける役割はミラーです。作品のアイディアからオブジェクトイメージなどは全て彼女がやっています。
発送があれば郵便局に運ぶし、私はあくまで彼女のサポートです。」と言うマイクさん。
昔はフルートをやっていたそうですが、私と同じようにロックミュージックも好きだそうで、「ブラックサバスは知っていますか?」とマイクさんに聞かれ、私は「もちろんです!ハードロックやヘヴィメタルはあまり聴かないけれど、バンドもオジー・オズボーンも伝説ですね。」と話し、私たちの会話のなかで音楽の話しでもたいへん盛り上がりました。

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 万華鏡のアイディアは“食べ物”から浮かぶことが多いと語っていたジョアンヌさん。
最後にプロモーション用のご自身が作曲した曲の流れる映像を見せてくれました。コックさんの格好をしたジョアンヌさんとマイクさんがキッチンでマフィン作りをするというシーンの映像でした。そしてオーブンから取り出すとマフィンは万華鏡になっていた!という楽しい映像でした。まだ制作途中とのことで、完成した映像を見るのが楽しみです!


ジョアンヌさんのアトリエ訪問の後、慌ただしく帰国の途に着いた私は、家に着くなり彼女からプレゼントされたスコープを取り出し、リビングのチェストの上に飾りました。
後方の写真立てには小学生の頃の私と母が写っています。日本の我が家にニューヨークの雰囲気が立ち広がりました。

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レポート:荒木貴紀

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